ある夢のお話し(エッセイ)/Lucy
 
て帰ってもう一度育てるつもりだったのだろうか?大学生になり、それぞれ家を離れて暮らす息子たちが帰って来て、なんというのだろう。
「母さんあの子たち、誰?」ときかれた時、私ははじめて矛盾に気がついたのだろうか。それとも平気で「あれは途中から君たちと入れ替わった幼い時の君たちなのよ。そうドラマで言えば子役なのよ。」と言うのだろうか。
「いい加減にしてくれよ、俺たちここに生きてるじゃないか。」と息子たちは言うだろう。
それならば、あの二人の幼な子はなんだったのだろう?そこまで考えて私は愕然としました。それを我が子と信じて微塵の疑いも持たなかった自分の思い込みが怖いと思いました。夢の中の私が囚われて
[次のページ]
戻る   Point(6)