ある夢のお話し(エッセイ)/Lucy
 
のかと思っていたけど、この子たちは小さいままで、ここにずっといて、そして幸せだったんだ。良かった。本当に良かったと。

みんなと一緒に展示室をあとにして、建物の出口へ向かっていると、友の一人が言いました。「あの子たち、あのまま置いて行っていいの?」「いいのよ」と私は即答しました。「だってあんなに楽しそうに笑っていたもの。ここに居て楽しいのならそれでいいのよ。」と。
するともうひとりの友が、私の肩越しに建物の奥を見て「本当にいいのか?あれをみてごらん。」と言うのです。
ふりむくと、古い大きな博物館の中は、すでに夕闇がたちこめていて、吹き抜けになった階段の上の廊下に館長らしき人が懐中電灯を片手
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