雪道/Lucy
 
  
雪道を歩く
子どもの頃は
どんな雪道もすたすた歩けた
ふわふわの新雪が積もった道は
心躍らせ 雪を蹴散らし
わさわさ歩いた
湿った雪が積もった時は
足跡をくっきり残して歩いた
雪を踏んで字を書いたり
模様を描くことだってできた
氷点下の朝は
吐く息が白い繊維となって
マフラーにこびりつくのを見ながら
キュッキュッと鳴る雪の音を聞いて歩いた
解けかけた雪がまたつるつるに凍った朝は
ゴム長靴をわざと滑らせ
スケートのまねをした

友達とふざけたり
雪玉をぶつけあったりしながら
毛糸の手袋を濡らし
指先がかじかんで泣きそうになるまで
時間をかけて帰った
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