【HHM参加作品】非連続/深水遊脚
 
色や熱を覆い隠してしまいかねない「アイマスク」というアイテムが描かれる。針に糸を通すことが難しいのは、不慣れなせいか、自信を喪失しているからか、身体的な不調からか、いずれにしてもそうした困難に直面している様子が細やかなしぐさを描くことで印象付けられる。これらの影の描写が「針の穴を通すように」という直喩に厚みを加える。「生きることは難しい」は唐突かもしれないが、厚みが加わった直喩は味わい深い。
 すんなり読んでしまいそうだけれど、第1連と第2連は、実はつながっていないのではないか。私はそう考えている。第2連の影を理解するために、第1連と同じ設定を引きずって読むことは必要だろうか。第1連との接点は、
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