【HHM参加作品】非連続/深水遊脚
面に滴る」と「締めきれない水道の蛇口がいつまで経っても凍らない」はきっと連続しない。前の行の雨が滴る様子と水道の蛇口を並べて印象付けている。それだけでなく「いつまで経っても凍らない」から「時間が経てば凍るはず」ということが連想され、寒さが人間を覆っていると考えることも出来そうだ。
そのあとの3行は黄昏から薄暮を経て闇へと至る情景として普通に読める。人間を覆っていた寒さと、赤々と燃える地面の熱は、やはり連続しないものとして独立に捉えるのがよいと思う。この時間帯を表現する言葉として「逢魔時」という言葉があり、「大禍時」という漢字が当てられることもある。「地面が赤々と燃えはじめ」や「切れ目のない紫紺
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)