あずきの恋人 (連載?)/たま
ば、鈴木さんを見送ろうと思った。どんなふうにして木星に帰るのだろう。やっぱし、宇宙船に乗って……?
アー、アー。
「あら、イチローさん、きょうは早いわね。」
イチローが窓のうえにぽつんとすわっていた。
「お腹すいたのかな、もうすぐ、お掃除がおわるから、ちょっと、待っててね。」
アー……。
イチローは、わたしのことはちっとも気にしていないようすで、おかあさんばかりみていた。
やっぱし、おかあさんのことが好きなんだ。
わたしはちょっと、くやしかったけれど、おかあさんにイチローのことは話せないし、このまま、わたしだけのひみつにしておこうと思った。
そうだ……、鈴木さんが帰
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