あずきの恋人 (連載?)/たま
ぼんやりあかるくなってきて、まるで、おおきな蛍光灯の下にいるみたいだった。
すこし離れた円盤の底がすっと開いて、青白い灯りのなかから、滑り台のようなスロープがのびてグランドにくっついた。
あ……、だれかおりてくる……。
おおきなひとの影と、そのうしろにちいさなひとの影がふたつ、スロープのうえにみえた。
「え……、あのお姿は……、ユーピテルさま?」
鈴木さんがだれかの名を呼んだの。
ユーピテル……さま? あれっ、どこかで聞いたような気がする。
おおきな影のそのひとは、ゆっくり、わたしたちに近づいてきた。サンタクロースのようなぶくぶくのコートを着て、しろい毛皮の帽子と長靴、そ
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