あずきの恋人 (連載?)/たま
、それにごっつい手袋をして、その顔は赤毛の猫みたいに毛むじゃらだった……。
あ、このひとはたしか、大王さま……?
わたしは鈴木さんが描いていた大王さまの絵を思い出していた。
ぐぉっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ……。
え……。なに、このひと? いきなりおおきな声で笑ったの。
「いやいや、あいかわらず、地球はさぶいとこじゃ……。おー、アモル……、ながいことご苦労さまじゃった。元気にしておったか?」
「ユーピテルさま……、お久しゅうございます……。」
鈴木さんは大王さまのまえに跪くと、両手を胸にあててふかくお辞儀をした。
アモルって、鈴木さんのなまえなのかしら……。
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