あずきの恋人 (連載?)/たま
ほらっ、やってきたよ。」
そう言って、鈴木さんは真上をみあげた。
えっ、空なの……?
あ……。
なんだろう? 灰色のまるい雲のようなものが、星空に浮いていて音もなく、ぐんぐんおりてくる。あっ、すごい! もう、このグランドからはみでそうなおおきさになった。
「ね、きれいな舟だろう……。」
鈴木さんはうっとりとした声でつぶやいた。
えっ、これって、空飛ぶ円盤じゃん……! わたしはそう思った。
円盤はグランドから三メートルほどの高さまでおりてきて静止した。わたしと鈴木さんは、おおきくてまるい天井のような円盤の下に立っていた。唖然としてみあげていると、灰色の天井がぼん
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