あずきの恋人 (連載?)/たま
 
半ごろだと思う。こっそり家をでて、急いで走ってきたからちょっと息がくるしかった。階段をおりたら、コンクリートの歩道があって、その歩道に沿ってサッカーや、ラグビーのできるひろいグランドがある。
 少年野球のグランドはそのとなりにあって、それほどおおきくないバックネットと、そのうしろに木製のベンチがいくつかならんでいた。バックネットに近づくと、だれかがベンチにすわっているのがみえた。
「鈴木さん……?」
 わたしは小声で呼びかけた。
「あー、あずきちゃん、あたしだよ。よく、来れたね。」
 鈴木さんはおおきな紙袋をひとつ、小脇においてベンチに腰かけていた。
「さぁ、こっちにおいで。」
 わ
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