【HHM参加作品】「yo-yo「紙のおじいちゃん」について」/葉leaf
 
者を派手に投げ入れるために、yo-yoは、紙でなかった頃の「おじいちゃん」を、厚みのある時間を用いて記述するのである。紙でなかった頃の「おじいちゃん」に、語り手は並々ならぬ愛情を注いでいる。その愛情が、紙でなかった頃の時間の厚みを増すのである。
 さらに、紙になってしまった「おじいちゃん」も同様に厚みのある時間を用いて記述されている。「あれは風のつよい日やった/中学生やった私は下校の途中で/なんや空の方からおじいちゃんの声がしやって凧のようなもんが街路樹に引っかかっとってん/ひらひら ひらひら/そんなとこでなにしてはんの/おじいちゃんはすっかり紙になってしもうてた/こんなに平べたになりはって/こ
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