【HHM参加作品】「yo-yo「紙のおじいちゃん」について」/葉leaf
 
ある。yo-yoがこの作品において巧みな点は、詩における祝祭を、単なる混沌におとしめることを避け、適切な筋道を立てその筋道を厚く叙述しながら、変身譚という暴力をきわめて劇的に作り上げている点である。徹頭徹尾意味不明な規範逸脱だらけだったらこのような鋭利な劇は生じない。yo-yoは、規範を破るのを、人間が紙になる一点に絞り、その前後を厚く記述した。そのことにより、変身の劇性は強まり、それ以外の秩序と対比させられた変身の混沌と多義性が一気に膨れ上がるのである。
 ところで、最終部分の「あした私は紙人形になって/この家を出てゆくけれど」ここが気になる。「私」もまた紙に変身するのだと文字通り受け取ってお
[次のページ]
戻る   Point(7)