あずきの恋人 (連載?)/たま
 
おかあさんの軽自動車がとめてあった。ちょっと、車の屋根がせまいけれど、飛びおりることにした。だいじょうぶ、猫なんだから。せえーのぉ、
 えいっ!
 うぎゃっ! 
 車の屋根のうえで思いっきりすべって、わたしはそのまま、アジサイの庭木のなかに仰向けに落ちてしまった。
 うっ、おしりがいたーい……。
 大失敗だったけれど、なんとか地面におりることができた。わたしの目のたかさは、地面から数センチ、なんだろうこの匂いは、いつか、おかあさんのいなかの畑で、じゃがいもを掘ったときの土の匂いに似ていた。ちょっと、かび臭い。
 あ……、なにか踏んだみたい……、え、ナメクジ……?
 やだぁー、もう!
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