あずきの恋人 (連載?)/たま
ドからすべり落ちて、床のうえに、はいつくばっていた。
ベッドの下に転がった、ガラス玉がみえる。
あれ……、どうして?
わたしは手をのばしてガラス玉をとろうとしたら、しろい猫の手がみえた。
……えっ、うそ!
でも、うそじゃなかった。わたしは猫になっていたの。
しばらくは声もでなかった。
なにもかもが目のうえにあった。天井のちいさな灯りがあんなにたかくて、まぶしいほどにあかるい。ベッドのうえにはパジャマだけがあって、まるで、わたしが寝ているみたいだった。
あ、いけない、いかなくっちゃあ!
わたしは窓の下に立って、手をのばしたけれど窓枠にはとどかなかった。
あ、そ
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