あずきの恋人 (連載?)/たま
 

 あ……、なにか、動いてる?
 ガラス玉のなかにもうひとつ、丸いものがあって、ゆっくりまわっていた。

 えっ! 木星?

 それはたしかに木星にみえた。オレンジ色の横縞がいくつもならんで、鈴木さんが描いた、あの木星の絵とおなじだった。

 うっ、まぶしい!

 一瞬のできごとだった。オレンジ色のガラス玉がおおきな火の玉になって、わたしのからだをすっぽりつつみこむと、風船みたいに宙に浮いた。そうして、目のまえを、あかるいオレンジ色に染まった部屋が、ぐるぐる、まわって、わたしは目をまわしそうだった……。

 ほんのすこし、わたしは気をうしなったのだと思う。気がつくとベッドか
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