あずきの恋人 (連載?)/たま
 
あ……、そうだ。
「ねぇ、鈴木さん……。」
「ん、なんだい?」
「わたしを、猫にしてちょうだい。」
「え……?」
「できるでしょう? わたしに魔法をかけて! わたし、猫になって、イチローと話がしたいの。」
「あずきちゃん……。」
「わたしを猫にしてくれたら、鈴木さんのことも信じられるし、イチローと、話もできるでしょう? ねぇ、おねがい! わたしを猫にしてちょうだい。」
 鈴木さんは唖然としてしばらく考えこんでいた。
「あずきちゃん、ひとつだけあたしと約束してちょうだい。かならず、人間にもどるってね。あずきちゃんまで猫になっちゃったら、あたしはもう、ジュピターに帰れなくなるよ。」
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