あずきの恋人 (連載?)/たま
 
ていないと思った。わたしはまだ、鈴木さんの話を信じる気になれなかった。
「いつ、帰るの?」
「あさっての夜だよ。ほんとはね、ことしの春に帰る予定だったんだけど、あの子をこのままにしておけなくてね……。」
「じゃあ、鈴木さんが帰ったら、外山先生はどうなるの?」
「……、イチローのままだよ……。」
「うそだぁ! そんなの、わたしはいやよ。ぜったいに、いや!」
 わたしはやりきれなくて、くやしくて、また、涙がでてきちゃった。

 鈴木さんは眼鏡をはずしてタオルで顔をぬぐうと、しょんぼりうなだれてしまった。わたしもどうしていいのかわからなくて、まぶしい窓の外を、ぼんやりみていた。
 あ…
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