あずきの恋人 (連載?)/たま
うん……。」
「じゃあ、もうお帰り……。」
うん……。
レジ袋に入ったガラス玉をしっかり手に持って、わたしは鈴木さんの家をでた。
「ただいま……。」
あかあさんはリビングの奥のキッチンで、夕飯の用意をしているみたいだった。わたしはスリッパもはかないで、こっそり、廊下をあるいて階段の手すりに手をかけた。
「あずきー、どうしたの、おそかったわね。」
あ、みつかった……。
「うん……、あのね、団地の公園で鈴木さんに会ったの、それで……。」
「へー、鈴木さんに? ご近所だったのね。」
「う、うん。」
「あら、なにもってるの?」
う、やばい……。
「あ、これ? これね
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