あずきの恋人 (連載?)/たま
 
っと、重い。
「これを持ってお帰り。今夜の十時に魔法をかけるから、あずきちゃんはじぶんの部屋で、このガラス玉をしっかりにぎりしめて、待っててちょうだい。あたしもこのガラス玉をにぎりしめて、あずきちゃんに魔法を送るからね。いいかい……、十時だよ。だれにもみつからないようにね。」
「うん……、あ、イチローは?」
「あの子は団地の公園で待たしておくから、あずきちゃんは猫になったら、こっそり、家からでておいで。」
「ん……、できるかなぁ。」
 わたしはちょっと、不安になった……。
「だいじょうぶだよ。落ち着いてね、部屋の窓はすこしあけておくんだよ。でないと、家からでられないからね。」
「うん
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