静かに、なるべく静かに(アスパラガスさん讃1)/渡邉建志
 
でも、ここで突然歌う人は、レストランが渇いたのだという。
しかもとても強く。
「なぜレストランは渇いたの
 なぜ夏が終わったの」
そう訴えかけられてしまったら、合理的判断なんて全部飛んでしまって、
「なんてこった」と思うほかない(借りました)。
詩人の他の詩に「心底なんてこったと思った」、と友人が言って、
ほんとうに、僕も、こんな駄文など書いていないで黙って、
なんてこったい、と言い続けるほうが、きっと正しい。

でも、レストランは渇いてしまうし、夏は終わってしまう。
でもでも、ガラス窓は「解け」ない。それは、
(それが「溶けない」ではないのは、)
そのなぞ(なぞ)がだと
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