静かに、なるべく静かに(アスパラガスさん讃1)/渡邉建志
モンキーは 野生
目のまえのオレンジジュースを
飲まずに
いられない
モンキーはガラスの向こうにいて、木の下でたそがれて、青春していたと思うのに、
いまやわたしとかれのオレンジジュースはモンキーの目のまえにあるし、
そのうえ野生だから、青春を忘れてオレンジジュースを飲まずに/いられない。
合理的判断はそう言っておかしいと言うのだけれど、
わけがわからないものが、わけがわからないまま、
現れては消える、それがただ、真偽を糺さずに現されているとすれば、
それ以上に強いものはない。事実こんなに強い詩行を書いた人を他に知らない。
いつも
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