静かに、なるべく静かに(アスパラガスさん讃1)/渡邉建志
 
つものフレージストたる僕ならば、軽々しくモンキーのごとく飛び上がり、

『モンキーは 野生』
って!そのスペースすごい!
『目のまえのオレンジジュースを
飲まずに
いられない』
って!そのリズムやばい!とくに最後の「飲まずに」と「いられない」の間の
改行!!

などとわめいただろうし(実際わめいているけれど)、そういった反応まで含めて、
作者が「ばか」と言ってくれていたならば、と思う。
ばか、はモンキーのみに向けられているのではなく、
(心中への憧れを含め)ここで現された箱の世界全体を、
初めて現れるとおくからの作者が、普通の言葉で、ばか、と呼んだに違いなく、
その秘密の箱にいまも憧れつづけている僕や僕たちも、
ガラスのスクリーンの向うの心中に憧れるふたり同様、
ばか、と呼ばれていたのなら、と思います。
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