石・草・虫など、その概念と考察/山人
 
葉が地に落ち、奥万の菌が大口を開き、食われ、脱糞し、その蹂躙されつくした葉が再び目をあけると土になっていたのだった。



八、地蔵
かさかさと黄金色の枯葉が舞い、山道に差し掛かると石の地蔵がいる。
傍らに虫を携え、坊主頭で秋の空気にさらされている。
遠くの山々は夕焼けで赤く燃えている。
地蔵は何も言わない。
枯葉が一枚、通り過ぎただけの山道。
ピーヨウゥ、鳶は高く、空を蹂躙し、捌いた空間を秋に晒し砕けて沈む。
モザイクな秋が地表にばら撒かれている。
そのとき地蔵は、「私は石である」、そう思っていた。


九、便所
その部屋で人は白い臀部を曝け出す。つまり、ここでは
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