石・草・虫など、その概念と考察/山人
 
ていった。
ため息があわぶくとなって海面にたどり着くとき、静かに砂になって獲物を狙うのだ。


七、土
語れば長くなる、そう言いたげに土は寝そべっている。
はるか昔、そもそも土などあろうはずもなく、世の中はすべて無で出来ていて、命の欠片さえもそこにはなかった。
たまたま神がそこをとおり、いがらっぽいな、と痰を吐き、神の屁から弾き出された大腸菌が発芽して、命の根源が生まれ出た。
さて、無は、果てない年月を指折り数え、一匹のゾウリムシを生み出し、そこから性欲をひねり出し、多くの生き物を世に送り出した。
カイワレのような貧弱な草が芽吹くと種は真似をして色んな草をつくった。
一枚の葉が
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