石・草・虫など、その概念と考察/山人
沈殿した重みを掴まえ、空へと立ち上がる。
鳥は知っていた、人々の希望は空にあるのだと。
五、蛇
神は究極の語彙を思い立った。その形に四肢はなく、念じたもののひとつの流れ、その思いの果てが一本の信念であり、蛇である。
人の肌のような角質はなく、ぬめりに覆われた、皮膚。突起物という突起物はすべて取り除かれ、一本の棒のみが存在する。
体全体が足であり手であり、すべてである。
六、ヒラメ
その昔、ヒラメはこのような形ではなかった。
恋に破れたヒラメのかなしみが塩辛い海水となって、体を圧し、たいらになった。
深海の砂粒に頬をこすり、見られたくないから、同じ方向に涙が流れてい
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