趣味について、または詩について/まーつん
安堵するものだ。私たちは単に自分には理解できないものに、都合のいいレッテルを張っているにすぎないのではないか。
人に感情がなかったら、罪もまた無いだろう。感情のない温血動物…そんな生き物を想像するとき、僕は、植物のような人間を連想する。決して動きもせず、語りもしない生き物。植物には動物にはない美しさがあるが、それは野を駆ける躍動感とは違う。胡坐を組む禅僧のように、植物は身動きもせず、ただ一心に成長していく。それでいて春になると、どんな洒落者の動物たちが束になってもかなわないような華やかさで、その身を飾るのだ。
なんだか話が脱線してしまった。趣味について話し始めたはずなのに、どうして
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