趣味について、または詩について/まーつん
 
してこんな袋小路に迷い込んだのだろう。たしか、詩について話していたんだっけ。そうそう、最近自分の書く詩はつまらないという愚痴になって、昔の自分はもっと瑞々しい感性をしていたという回顧になり、ではどうすればそれを取り戻せるのか、大切なのは瑞々しい感情なのかという仮定を立て、しかし唯感情に任せて書き殴っていたのでは、その技巧は進歩しないのではないかという危惧が加わり、では技巧と感情のどちらが大切なのかという新しい疑問が持ち上がり、高い技巧には学習という努力が求められるが、感情はタダで手に入る、故に高い対価が求められる技巧にこそ価値があるのかもしれないという見方が生まれ、しかし対価が伴わないものに価値は
[次のページ]
戻る   Point(8)