宝籤/はるな
宝籤のしっぽの先はあいかわらずまちがいみたいにほんのわずかに白い。
まずはじめは、(はじめっていうのは、16歳という意味だけど)、愛されていないと思っていた。愛というのはとても遠くにあり、日常には降りてこないようなものだと思っていた。部屋は四角く、灰色で、生温かかった。いくつかの心地よい夢を持っていて、だいたい好きなときにそこに行くことができた。それから、春がきて冬がきて、しばらくしてもう一度冬がきたのちに、十八になった。部屋にはときどき扉があらわれ、わたしは強固な鎧ももっていた。いつでも鎧を着て、絵筆をもち、あらゆることに色をつけて分けていった。それから春がきて、二十になった。わた
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