宝籤/はるな
わたしの鎧はどんどん薄くなり、ほとんど透けた絹のようにもなった。そのころには、部屋は、世界とおなじように明るくなったり暗くなったりし、また、夢はいつのまにか遠のき、思うように行くことができなかった。窓があらわれ、割れた。
宝籤を裏がえすと、下腹にむけてだんだんと毛がうすくなり、皮膚があらわになる。そこに触れると、思っているよりもずっと生々しい感触がして、さいしょは、すごくこわかった。いまはすこしだけこわい。
はんたいに、おでこのあたりの毛はいちばんにやわらかくて、それは今までみてきたどんな上質な毛皮よりもあたたかい。耳が三角形にしずかに垂れているさまが、どうしようもなく愛くるしい。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)