白い猫の話/MOJO
べき問題ではない、との結論に達し、傍観していた。
それにしても、白い猫が傷を負って帰ってくると、身体のあちこちが血で赤く染まり、痛々しい。
「おまえ、がんばって、自分のテリトリーをぶん取れよな」
私は白猫を抱きとり、言ってみる。「ミャー」と一声、弱々しい鳴き声が返ってくる。
そんな事が続いたある晩、いつもより激しい猫同士の争う物音が窓の外から聞こえてくる。
嗚呼、またあいつがやられている。
私は憂いたが、猫同士のことだから、助けには行くわけにはいかない。
その晩から白猫は姿を現さなくなった。二晩経っても三晩経っても帰ってこない。
白猫は、この辺りでテリトリーを確保する
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