パス/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
その公園は高さ5メートルほどの小山があり、冬はミニスキーと呼ばれる、プラスチックで作られた5,60センチほどの玩具を足につけて雪上をすべる遊び場として使われていた。
雪の時期ではないので、ただ禿山のようにぽつんと佇んでいるだけだった。
その小山に隣接して草野球ができるくらいの広さのグラウンドがある。二人が来た時もどこかの少年達が野球をしていた。
「あっちでやるか」
「うん」
二人は野球の邪魔にならないよう、野球少年たちの陰に隠れる形で、小山の裏に陣取り、おもむろに練習を始めた。
晴田は普段から1人でサッカーボールを蹴っているのでパスは正確だったが、奥山は自分でボールを持っていな
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