パス/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
いない上に運動神経もいい方ではなかったので、晴田は奥山が繰り出すとんでもない方向のパスにいつも苦労させられていた。
「ごめーんまたヘンなとこ行っちゃったよ」
「大丈夫だよ」
奥山は晴田のためにもっといいパスを出したかったが、奥山のボールは右へ、左へと飛んでいく。それを何事もなく晴田が受け、笑顔で奥山に返す。
その繰り返しが延々と続いた。
晴田はサッカーをしている時本当に晴れやかで、奥山が出すパスを喜んで受けていた。奥山はとんでもないパスばかり出してしまうので晴田に対し申し訳ない気持ちになったが、そんな気持ちを打ち消してしまうほど晴田の姿が晴れやかだった。
晴田は本当にサッカーが
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