遺書にはならない足跡 2/セグメント
 
そうになるのだ。これは、どうして起こるのだろう。やはり、彼女は私に成り代わって生活しようとしているのだろうか。
 彼女が表に出て来た数回、良く、彼女はそういったことを口にしていた。私ばかりが楽しく生活しているのは、ずるいと。私ばかりがおいしいものを食べて、恋人に会っているのは、ずるいと。食べ物や飲み物に関してだが、私を通して味は分かるらしい。しかし、味が極端に薄くなるようだ。これは、彼女が言っていた。いろはすのみかん味が好きで私は良く飲むのだが、もともと薄い味の飲料水なのに、ますます味が薄くなって嫌だと。
 それにつけても、本当に私の中に別人格がいるのだろうか。上記のようなことを私は一片たりと
[次のページ]
戻る   Point(0)