遺書にはならない足跡 2/セグメント
りとも思っていなかったのだが、友人の前で意図的に彼女と入れ替わった際、そのように述べたのだ。私が思ってもいなかったことをさらりと言ったという点を鑑みるに、私の中に別の人格がいるという証にもなりそうだが、私が咄嗟に創造して告げたという可能性も否定出来ない。一体、どちらが有力なのだろう。
どちらにしろ難ありな気はするが。
現在、通院している病院で、多重人格や解離の可能性は指摘されてはいるが、断定は出来ないそうだ。というのも、担当医が、多重人格や解離の症例をあまり見たことがないらしく、詳しくないそうだ。ロールシャッハ・テストと文章完成法テストの結果は出ていたが、個人には見せられない上、多重人格や解
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