安酒/深水遊脚
それもきっと昔と変わらない。でもいまは昔に比べて用心深い人が増えている。酒の無理強いに対しては世間の目が厳しい。マイペースで好きなお酒を飲むほうが普通だろう。個々の人たちが自分の世界を保ちつつ、その世界にお互いに踏み入れすぎないようにしている。巷の飲み屋をつぶさに見ているわけではないから想像でしかないけれど、同じ安酒を飲むのでもいまはこんなふうになっているのではないだろうか。下記引用部分は、古きよき(悪しき?)学生のノリのにおいを感じさせる、牧歌的なものに私には思える。
(引用ここから)
「安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。人びとの声は大きくなり、その行動は粗暴になる。論
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