夢を描く/MOJO
っすぐに私に向けていたから。魚ごときに言い負かされそうになった私は、だんだん腹が立ってきた。私はその魚を小舟の上に引っぱりあげ、びくびく動くえらぶたあたりをがっちり押さえこみ、包丁でカレーをつくるときの玉ねぎのように、細かく切り刻み、海面にばら撒いてしまった。すると、きらきら光っていた海面は、灰褐色ににごり始め、どこからか終末感を起想させる音楽が響き始めた。荘厳、といってよい調べに暫らく身をゆだね、私は小舟の上でじっと動かずにいる〉
そして、こういったものを、2ちゃんねるの文学板に『ビヨンド漱石、夢十一夜』と題したスレッドを立て、書き込んでいたのだった。
すると、創作文芸板から来た或る
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)