別れの詩/……とある蛙
 
過ごしていた。
 結局おれは図体のでかい小動物でしか無く、常に何かに怯えてビクビク生きてきた。おれは、この世に別れを告げることもできず、毎日毎晩別れの詩を書いているのだ。

 別れの歌
  見つめる眼が暗くなり
    投げかける言葉が辛辣となり、
    愛を語るにはあまりにも長く暮らしすぎた。

  おれは常に我慢してきたと思っていたが
    別れることへの恐れと苦しみが
    それら我慢をどこかへ霧散させた。
    そして病的な思考が
    おれの渇きを増進させた。

      もう一度でよい
      もう一度やって来い、
      愛を語らう
[次のページ]
戻る   Point(9)