別れの詩/
……とある蛙
らう日々よ。
なんて世迷い言を繰り返す老人になって
思考停止の残尿感を抱えている。
おれは田舎に行こうと思う。そこには耕作を禁止された休耕地や荒れ野原、花も咲かずに実も成らない果樹園、寂れた商店街のシャッターを閉めた店、さえない居酒屋でぬるくなったハイボールを飲みながら町の将来の夢物語を語るのだ。おれは金も無く泊まるところも無い状態でも田舎町まで行かねばならない。都会にいては道端で残飯を漁る独りの浮浪者になるしかないのだから。
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