加害者と被害者/桐ヶ谷忍
君も、親も、被害者であり、加害者であると。
そしてやはり、入り口はたがえど、親と同じ出口を私に
指し示すだろう。
君が変わるしかない、と。
それが君にとって幸せな事であり、ラクになれることなのだと。
そして、メビウス。
私は泣き寝入りするしかないのか。
仮に、私が変わろうと思っても、さて、どのような方法で
変われば良いのだ。
過去を忘れるくらいの「楽しい事」「幸福感」で上書きすれば
良いだろうという指針は察しがつく。
けれど、幸せを幸せと感じられないのだ。それでどうやって
上書きすればいいのだ。
出来ないではないか。
出来ない、などと決め
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