加害者と被害者/桐ヶ谷忍
を何かの切り札のように言う。
私は、自分がどれだけ恵まれているか分かっているし、
そしてまたどれだけ恵まれようが、それを幸せと
感じられないかについて悩んでいる。
幸せを、幸せと感じられないように育てられたのに
親はそれを私へ責める。
自覚がないからだ。どのように育てたかについて、いや、
どのように育てるかという事を放棄したかを自覚してないのだ。
自覚していないから、責め、諭す。
馬鹿げた茶番劇の舞台上に強制的に立たせ、愚かな子を
正しく導こうとする親、という演出をされている。
なんなんだ。
なんなんだ、これは。
どうしてあんた達はいつでも自分達が絶
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