短い季節たち/梅昆布茶
きな曲のままだ。
コスモス高原
宅配便をやっていた頃担当していた小さな山懐の町は武蔵の小京都とも呼ばれる
江戸、川越、秩父を結ぶ往還の和紙と酒の里でもある。
もちろん秩父の豊かな水脈にはぐくまれての伝統の技術でもあろう。
近辺の清流にはまだ蛍もみられるという。
秩父往還をさらになだらかに上ってゆくとやがてその清流をわたって県内唯一の村に入ってゆく。
近くには旧東京天文台観測所があり今でも月数回の星空観望会がおこなわれている。
冬場にさらに奥の高原をめざして登ってゆくと各所に柚子の無人販売所があって
たまには道端の柚子の木から零れ落ちた金色の実がころころと山道に散
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