或る愛の話/済谷川蛍
ついてのことも。
あるとき、彼女が死にたいと呟くようになった。理由を聞くと前の彼氏に無視されていることを気に病んでいるという。恋煩いだ。俺自身彼女に対して同じ病気を患っているという奇妙な構図だった。話によると高校に入ってすぐ付き合い始め、3週間で喧嘩でもしたのか音信不通になり、そのまま病気を抱え込んだまま4カ月が経ったのだという。2週間ほど前、お互いの友人に頼んで彼氏の気持ちを聞いたが、結果はやはり別れたことになっているということだった。呆れてしまったのが、その共通の友人に「ずっと一緒にいる」と言われてつきあい、すぐにフラれたという。それに対する俺のチャットの返事「バカじゃね…」。
彼女の
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