I'm hungry/アオゾラ誤爆
 
どこまでも底なしの穴になったような気持ちになる。

こわい。

 その響きは、とてもよく私の心をうつしだす。私はこわいのだ。だいすきなその身体や、みえないはずの心を、そっくりそのまま手に取って胃の中に押し込めたいと渇望していること。そんなあられもない自分の欲が、ほかでもない彼の眼にさらされてしまうことが、とてもこわい。恋人の愛らしいまっすぐな眼の中に映る私の、まるっきり空腹で手順を知らない世間知らずさを、彼という人はどんなふうに感じていることだろう、と。

 階段をのぼるとき、恋人は私の身体に触れていた。あどけなく大人げない方法で。どんな葛藤も吹き飛んでしまうような魔法の温度で。少年は
[次のページ]
戻る   Point(3)