I'm hungry/アオゾラ誤爆
 
年は言い訳を必要としない。無邪気にふれあうことに罪はなく、あるのは華々しいお互いの機能だけだ。
「ね、好き」
「うん? 僕もだいすき」
柔らかく、やさしい耳ざわりの声。にっこりと笑っていたんだろうか。表情は見えない。恋人の言葉はすぐさま温度や湿度にかわり、私の身体中に浸み渡っていった。熱い、痛い、足りない、もっと、冷たく、ひどく、くるいそうな、まるで、空腹だ。

食べたい。

 ふざけた考えかもしれない。だけれど真っ白になった頭で、恋人の存在だけが膨れ上がり、いつまでも弾けない。
 愛でなければなんだろう、と、恥ずかしげもなく考えていた。
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