I'm hungry/アオゾラ誤爆
 
移動手段にも、筆記具にも、寝具にも、彼は彼なりのこだわりをもって真摯に接している。その姿勢はいたって大人で、尊敬すべきもののように思える。もちろん、融通の利かない少年のように振る舞っているようなときでさえ、ひどく可愛く愛すべき様子であることにかわりはないのだけれど。

 今日は恋人の仕事の終わりに待ち合わせていたので、一緒にいられる時間はそんなに長くはなかった。あっという間にカフェラテはなくなった。帰らなくてはいけない頃合いだ。
 時間の経つはやさがうらめしいなと思いながらカップを片づけようとすると、恋人がしずかに私を制した。お決まりのことなのだけれど、何となく優しい気持ちになる。ありが
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