バス、バス停、水の中/はるな
 
あ胸がはりさけるとはこんな感じかなと思うほどに、いてもたってもおれず、飲んだ酒を吐き戻したり、それでもまだ飲み続けたりしながら、時間が二分ごとにのびたり縮んだりするし、ここにいるからだと、彼の待っている場所へいってしまった精神が行ったり来たりし、しまいにはわたしがどこにいて何が誰なのか、時計の読みかたもわからなくなる始末。

ただしいことをしたい、ただしい場所にいたい。ただしいものを抱いていたい。
何もかもを放り出して彼のところへ駆けつけるよりもただしいことがあるだろうか?
と、考えたきり、ぷつりと思考が焼き切れたように終わってしまって、あとはただ呆けたように残りの営業時間を、卵の薄皮を剥
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