バス、バス停、水の中/はるな
 
でしょう、だからといって声をあげなければあとまわしになってしまう、という、切羽詰まった気持ちになるもの。ただ情動はべつもので、それはいつも精神をあっという間におきざりにして、あるいは体をあっという間におきざりにして走り抜け、ばらばらにしてしまう。
選択とも決定ともまた似つかわしくないもの。
ただそこにあって、みえるような見えないような、はじけるような包み込むような。
バス停を根こそぎ持っていく台風。

でも、それにしても、待たせるということは。
それはまた、想像もしない世界、待っていることにかんしてはこんなに考え、選択とか自由とか、意思とか、あるけれど、待たせるということは。
ああ胸
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