最終考察あさき 前夜祭 -幸せを謳う詩-/只野亜峰
――ふぃるむ は逆さに回り
――二つの笑みを白黒にして 燃やす
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ここで描かれる二つの笑みというのは先に描かれていた男女の笑みには他ならないでしょう。しかしながら、この男女が主人公と夫であったというのなら、幸せな記憶をわざわざ自らで焼ききるだろうかという疑念が生じます。彼女が消し去りたい記憶が夫の裏切りであったなら尚更の事で、わざわざ幸せの記憶を消し去る意味は無いわけです。つまり、ここで描かれる男女というのは主人公である彼女ではありえないわけです。
――「いつまでも続くといいな」
――彼女は言う
わざわざ「彼女」という言葉を持ち出してきた事にも注視するべきで
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