腐れ縁/ブルーベリー
 
で、彼女は顔のつくりもそんなに悪くなかった。ただ影は常に背負っていた。薄幸というより、不幸のニュアンスの女だった。それだって全部その黒い服のせいじゃないだろうか。付き合う男は全員わけありだった。どうしてそういう人ばっかり、と思うが、そもそも彼氏居ない歴が六年目になりそうな私には口にできないのだった。半ば儀式のように、当たり障りのない会話をすると、彼女は歯を剥いて笑った。ボロボロの歯。黄ばみ黒ずみ死の匂いが漂っているのに、何で彼女には彼氏がいるのだろう? 死の匂いは、その口が全てを語っていた。Aは小学生の頃に内臓を患っていた。恐らくそれのせいなのだろう、彼女の歯並びと、どこからか臭うのは、腐ったよう
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