腐れ縁/ブルーベリー
 
ような臭いだ。数年前に亡くなった祖母の寝室の臭いに似ていた。彼女には終わりの予感しかないのに、何で彼女には彼氏がいるのだろう? 何で私は彼女と居るのだろう? 病弱なはずのその手が鞄をしっかり掴んで離さなかった十代は終わったから、今この街中で私が走り去っても追いかけてきやしないだろう。もう彼女も大人だ。あの時狂気まじりだったあの目を、離したかったはずの距離を、何故空けないのだろう? こんなにも罵倒しておいて、腐っているのは―
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